園芸療法の授業について 人間環境学科
2011年08月22日
投稿者:澤田 みどり
ゼミ/授業名:澤田ゼミ(園芸療法)
園芸療法とは、植物や植物が育つ環境を、人の心や身体のリハビリテーションに活用する方法で、支援を必要としている高齢者の心身機能の維持向上や、介護予防や認知症予防、生きがいづくりとして注目されています。知的障がいや身体障がいをもつ方、心の病いとともにある方の日常生活支援や就労支援、薬やアルコールに依存している方への自立支援、ひきこもりや不登校の青年たちへの社会参加支援、病院、施設、ホスピス、コミュニテイ―と活動は広がっています。
恵泉では、いのちを育て、どんな状況でもくらしに花を生ける思いのある女性を育てたいと園芸の授業が必修ですが、園芸療法についても段階的に学ぶことができます。
共通教養科目として、園芸療法入門を受講し、ひとと植物、ひとと園芸作業・環境の関係について学び、園芸を療法(セラピー)として活用する考え方や手法の基本的知識を身につけます。植物を通して人とかかわる園芸作業の面白味を知り、今後この授業で学んだことが地域社会や家庭生活でも役立つことを期待します。
園芸療法入門を受講後は、園芸療法実践(基礎)を受講し、様々な障害について知り実践に必要な植物の利用の知識(フラワーアレンジ、ドライフラワー、染色など)も広げます。実践を想定して、ロールプレイ(役割演技)をし、障害者への理解を深めます。園芸療法年間プログラム作成をこの講義の最終目標とします。そして、園芸療法実践(応用)では、実際に障害をもつ方と園芸療法を実践する実習になります。今年は神奈川県立麻生養護学校と交流をして、養護学校見学の後に、大学キャンパスに養護学校生徒を招いて一緒に園芸作業をします。これまでの受講生は、その後も養護学校へボランテイアに行くなど交流が続いています。
必修で学んだ園芸が、人のこころや身体に大きく影響する分野だということを実体験する授業です。
担当教員:澤田 みどり
季節を知らせ、人の生活を豊かにし、コミュニケーションツールにもなる植物や園芸作業。キャンパスの植物をもっと身近に感じ、知り、その知識や技術を使って園芸をリハビリテーションに使う園芸療法を一緒に考えましょう。