グローバリゼーション下における子どもとジェンダーの問題 国際社会学科

2011年11月28日
 投稿者:堀 芳枝
 ゼミ/授業名:堀ゼミ

堀ゼミでは下記の2つの授業と合わせて、学生たちの関心に沿って個人発表を重ね、論文指導を進めます。

まず、『子どもの権利』の授業では児童労働を中心に、ストリート・チルドレン、人身売買や子ども兵士といった「最悪の形態の児童労働」問題を考えます。また、子どもの権利を守るための国際社会はどのように対応しているのか、その実態と問題点を考察します。(写真1は授業のテキスト)

また『アジアの新しい貧困』では、新国際分業体制の成立とグローバリゼーションが生産・再生産領域における女性の労働力の商品化をもたらしたという視点から、アジアの女性たちの農村から都市への出稼ぎ、移住労働や国際結婚などジェンダーの視点からグローバリゼーションの格差の問題について考えます。

学生たちは授業とゼミをセットで取り、フィリピン、タイ、カンボジアなどのフィールド・スタディにも積極的にでかけます。毎回ゼミでは発表者と自分のイシューを比較しながら話し合うので、情報量は2-3倍に増え、盛り上がります。(写真2は2011年3月卒業した学生たち)。

私のゼミは厳しいという「風評」もありますが(笑)、これからの学生たちは社会で、男性どころか国籍の違う人と伍して行かねばならない時代ですから、そのつもりで指導してます。

そのせいか、私のゼミ生はこんな時代でも、それなりに就職・進路を決めてきます。

たとえば、今年の3月に卒業したKさんは、アフリカの女性性器切除(FGM)をテーマにして、インドのフィールド・スタディと高橋先生とケニアまで行き、4月からお茶の水女子大の大学院(開発とジェンダー)に進学しました。
見た目は派手なのに、フィリピンの農村スティと出稼ぎ女性の話を延々としてそのギャップが幸いして不動産会社に内定をもらったNさん。生保が受かったのに、テレビの制作子会社を選んだHさん、6歳からバレエを踊り続け、その道に進んだIさん。
みんな世間の評価を気にせず、自分のモノサシで歩く自信をつけたようです。

途上国の子どもやジェンダー、女性の権利について「がっつり」勉強したい人、お待ちしております。

写真1

写真2

担当教員:堀 芳枝

私は大学2年生の時にフィリピン・ミンダナオ島でのワークキャンプに参加したことが、自分の価値の「大転換」となり、その後の進路も大きく変わりました。 現在はフィリピンを中心とする貧困や開発、子どもや女性の権利、アジアの民主主義について教えてます。 学生から東南アジアって面白い、恵泉で良かった!と言って卒業してもらえることが何よりの励みです。

堀 芳枝