高橋ゼミの学外授業 国際社会学科

2011年12月12日
 投稿者:高橋 清貴
 ゼミ/授業名:高橋ゼミ

今回は、高橋ゼミの学外授業を紹介します。10月下旬、福島の三春町に行きました。2年生から4年生まで合同で、ゼミ生以外も含めて有志10人の学生が参加しました。スプリング・フェスティバルでもお呼びした農家のところに、「収穫祭」と称して全国から福島の農家支援を行っている消費者や流通関係の人、他県で有機農業に取り組んでいる方々が集まり、サトイモやさつまいも、カボチャの収穫を手伝いながら、放射能汚染の実害と風評の問題について話し合いました。オーストラリアからテッサ・モリス=スズキさんも駆けつけました。

三春は地形と気流の関係もあって、福島の中で比較的、放射能汚染汚染が低いところです。収穫前、町の検査所で測ってもらいましたが、さつまいもで17ベクレル、サトイモで6ベクレルと問題ありません。学生たちは、三春の自然の美しさを堪能しながら、収穫に汗を流しては、百姓の日常に触れてきました。畑から戻った後は地元の農作物を使った加工作業を手伝い、料理を一緒に作りました。夜の交流会では、普段あまり出会うことのない人たちから「福島」というレッテルを貼る差別、売れない精神的苦痛などの当事者にしか分からない話を聞きました。食と農のあり方はゼミのテーマであるグローバリゼーションの重要な課題の一つです。私のゼミでは、こうした現場でしか学べない、知識以上の何かに触れることを大切にしています。現場に身を置くことで、問題がつながりとして見えてきます。

大学はまた、出会いの機会を得る場です。小さな出会いを絆まで深めていくためには時間と努力を要しますが、社会人にとって大切なこと。今回も、ゼミ生たちは三春から30kgものサトイモを取り寄せて、恵泉祭で芋煮を出したり、別の学生は知り合いを集めて直売の関係を作ろうとしています。学びに加え、何かを始めるきっかけを得るために、私やゼミをどんどん利用して下さい。

収穫の帰り道

ズイキづくりを学ぶ

担当教員:高橋 清貴

グローバル化が進展する中で、社会や経済や政治まで変わりつつあります。人々の暮らし方も変わっていくでしょう。国を拠り所にしていた市民から「地球市民」へ。また、地球温暖化が示すように「もっと、もっと」ではなく、10年後、50年後を想定して、暮らし方をつくっていなかければなりません。そのために、あふれる情報をどう見極め、活かし、行動につなげていくのか、その方法を一緒に考えましょう。

高橋 清貴