定松ゼミでは、国際社会に関するテーマ、ジェンダーに関するテーマに興味のある学生が集まり、社会学の手法を学びつつ、各自の卒業論文を書きすすめていきます。3年の初めに社会調査について簡単に学び、半年以上かけて1冊の本をみんなで読みます。ここ数年はA.ホックシールドの『管理される心』を読みました。自分では選ばない、書店に並んでいるとなかなか手に取ろうとは思わない、そんな本との出会いがあるのも大学のだいご味だと思います。2011年度の卒論にはこの『管理される心』の感情管理の問題まで探求した『恋愛マニュアル本とジェンダー』という卒論を書いた学生もいました。
とはいえ、ここは恵泉。「バナナの木、一本でなにができるか」など園芸や開発系に興味をもって卒論を書いた学生がいたり、園芸の先生の部屋に入り浸り「果樹部」をつくっている学生もいて、教員の興味に合わせたり、「勉強らしい」テーマに縛られることなく、自分の興味を探しだし、じっくり深く考えていくことを勧めています。ゼミは、自分の主体性を獲得し(本当は私は何に興味があるのか)、そして自分の考えを人に分かってもらえるように努力する(妥当な資料を伴った文章による表現)場だと思っているからです。そして、みんな違うテーマだからいろんなことが学べていいよね、というのが毎回のゼミ生の感想です。
1月の2年生、3年生、大学院生も合同の卒業論文発表会(写真)ではうまく発表できなくても、本番口頭試問までには「前から完璧であったかのように」堂々と、緊張を隠して挑んでいます。くじけない、くじけるけれどどうにか立ち直る彼女たちは毎年みんな就職先、進路先をしっかり見つけています。