国立西洋美術館で展覧中のラファエロ展 歴史文化学科

2013年05月31日
 投稿者:伊藤 拓真
 ゼミ/授業名:伊藤ゼミ

西洋美術史を勉強する伊藤ゼミでは、毎学期、展覧会の見学をしています。東京にいながら世界中の美術を見て学ぶことができる機会、それが展覧会です。2013年度の春学期には、上野の国立西洋美術館で開催されたラファエロ展を見学しました。見学に参加したゼミの皆さんの感想を見てみましょう。

ラファエロの絵は、繊細でやさしく、やわらかく、幻想的という印象を受けました。光と影の微妙な色の差、境目の色合いなどが細かく塗り重ねられており、また光がきらめく様子を描いた表現力に、絵の前に立った時に目を引き付けられました。《友人のいる自画像》などの肖像画で描かれている人物には存在感があり、目や口元といった表情の微妙な描き方が、モデルの人間性を感じさせました。

2年 A.S.さん

ラファエロ展で最も印象に残ったのは、《大公の聖母》です。書籍やインターネット、授業などで何度も目にしてきた作品を、今回実際に間近で見ることができたのが一番の収穫でした。《大公の聖母》は、以前、伊藤先生の授業で勉強したときに、背景の黒い塗りつぶしについての歴史的経緯を知りました。今回、実物を前にして、ただぼんやりと見るだけではなく、授業の内容を踏まえてポイントを絞って鑑賞することができました。
また、ファラエロの画家としての人生を作品でたどることができるように展示されていたので、作品の様式の移り変わりを理解することができました。

4年 S.N.さん

2013年は、「日本におけるイタリア」年です。レオナルド・ダ・ヴィンチや、ミケランジェロなど、イタリアの芸術家に関する展覧会が多数開催されます。美術や歴史といったルーツの部分から、さまざまな国の文化を理解していきましょう。

ラファエロ・サンツィオ《大公の聖母》、フィレンツェ、パラティーナ美術館所蔵

担当教員:伊藤 拓真

イタリア文化、特にルネサンス美術を専門に研究しています。  テレビ、ポスター、雑誌など、現在の社会で私たちは大量の視覚イメージに取り囲まれています。美術の歴史を学ぶことを通じて、身の回りにある様々な視覚イメージをもう一度新鮮な気持ちで見つめ直してみませんか。

伊藤 拓真