植物・土・水を通して環境を考える 現代社会学科

2013年07月01日
 投稿者:片倉 芳雄
 ゼミ/授業名:片倉ゼミ(環境論実践演習I・II)

私のゼミでは、主として植物・土・水を対象に、その性質や働き、相互の関係について把握することから私たちの環境について考えていこうとしています。3年生は、近隣の里山・公園、大学農場などの視察・土壌や水質・植物についての簡易実験などから、興味ある課題を見つけ出し、卒論の研究テーマに結びつけられるようにしています。3年の後期には卒論のテーマをほぼ決定し、4年では卒論に集中できるように考えています。以下は私のゼミ生の感想やメッセージです。

(人間環境学科教授 片倉芳雄)

普段の授業では、植物や土壌にまつわる資料を通して理解を深める座学が中心である。時には外に出て大学周辺の自然観察や、個々人が興味を持ったことを授業中に行うこともある。実際にブルーベリーの接ぎ木と挿し木を体験しましたが、とても難しく後日の授業で確認したところ、挿し木をした苗は元気だったのですが、接ぎ木は失敗でした。挿し木の苗も、発根に2か月はかかるとのことでまだ安心することはできませんが、普段ではめったに出来ないことが、授業で体験できたことに大きな意味があったと感じています。

(人間環境学科3年 前田絵里)

先日、古民家がある一本杉公園を訪れた。そこは緑溢れる敷地の大きな公園でした。私達はそこに植えられている植物を観察しました。普段なら見過ごしてしまう花に気を付けながら観察をしました。他にも学校裏の課外学習時に使う畑にも観察しに行きました。そこには沢山のブルーベリーが育っており、私達はブルーベリーについて話しをました。道端に立ち止まって見てみると隅っこに咲いている花に目が行きます。私達はそういう花にも目を向けられるようなまなびをしています。

(人間環境学科3年 遠藤彩恵)

[土と植物とそれから夏]
みなさんこんにちは、片倉ゼミの宮川です。
そろそろ、夏本番ですね。緑のカーテンをやる人が増えるのではないでしょうか。私も家でゴーヤを育てています。
さて、土の中には菌をはじめ、様々な生物が存在します。その生物たちがバランスよく存在することで健康な土が育ち、植物は健全な成長が出来ます。"畑作りは土作り"と言いますよね!以前ゼミ内で拡大鏡を使って土壌を観察したとき、ユスリカの幼虫やトビムシ、ヤスデモドキなどの土壌生物を確認することができました。拡大鏡を使わなくても、ダンゴムシやミミズは身近ですよね。土壌生物の営みは、保水性、透水性、保肥力(腐植、粘土による)、通気性をもつ団粒構造を作ってくれます。これが、土壌生物にとって暮らしやすい土であり植物にとっても育ちやすい、バランスの良い土です。
ところで、夏に植物を育てて、「日差しが強くて土が乾燥して枯れてしまった」なんて経験はありませんか?土の表面に落ち葉や枯れ草を敷き詰めると土の乾燥を防いでくれるとともに、土の浸食の防止、温度調節、雑草の抑制、泥はねなどの防止などにもなります。そしてなんと、土壌生物のご飯にもなるんです!一石二鳥です。この被覆の作業をマルチといいますよ。ぜひ、試してみてください!

(人間環境学科4年 宮川桂子)

前田さんのブルーベリー挿し木

宮川さんが育て始めたゴーヤ

土壌生物の顕微鏡観察

担当教員:片倉 芳雄

土は、その地方に特有の色をもち、性質もまた異なっています。土と水は植物の生育を支え、私たちの生命をも直接的あるいは間接的に支えています。土・水・人間は相互に影響を及ぼし合う関係にあり、これら個々の性質や働きが地球環境にどう関わっているかを考えてみたいと思います。

片倉 芳雄