「日本語基礎講読」は日本語日本文化学科の2年生のゼミです。このクラスのテーマは、芥川龍之介の「藪の中」とその研究史。スリリングな小説に、もっとスリリングな解釈をほどこしていくためのトレーニングを行っているところです。
「藪の中」について書かれた論文は、過去に数百本ありますが、その中から代表的なものを選んで、ひとり1本ずつを担当、それを探して熟読し、内容をゼミメンバーに説明し、問題点や自分の意見を述べるのがさしあたっての課題です。ゼミが始まって2ヶ月余り、過酷なプレゼンにもようやくみんな馴れてきました。月曜日のゼミ時間には、芥川研究者も真っ青の、過激な議論が飛び交います。相手がたとえ有名な人の論文でも、ちゃんとそれを批判できるというのは、その人が、自分の力でしっかり考えている証拠だと、私は嬉しく思っています。 さて、担当する論文を探すために10月中旬のある土曜日にみなで訪れたのが、立川市内にある国立国文学研究資料館でした。ここは、日本文学に関する雑誌論文が、日本中のどこよりもたくさん集められているところ。そんなすてきなところに、大学からモノレール1本で行ける恵泉生はとっても有利で、ハイレベルのレポートや卒論が続出するのも道理ですね。 当日は、資料の探し方に少し戸惑いながらも、みんな目当ての論文にたどりつくことができました。ほかのメンバーが担当するものまでコピーして読んでいる意欲の高いつわものもいて、頼もしい限り。 勉強のあとは、ロビーで楽しくお弁当を開き、ちょっとしたピクニック気分も味わうことができたのでした。
参加メンバーが寄せてくれたコメントをご紹介しましょう。
C.Kさん 「駅から少し迷うというハプニングあったものの、私は無事に国文学資料館へ入ることができた。そして、いくつかの論文を手に入れた。目当てのもの以外にもたくさんの資料があって驚いた。今度時間があるときにもう一度足を運んで沢山の資料を読んでみたいと思う。」 → 課題以外に収穫が多かったんですね。頼もしい。
Y.Tさん 「この前初めて立川にある国文学研究資料館へ見学いたしました。学校には置いていない資料が豊富で圧巻でした。このゼミの授業だけでなく、他の授業のレポート作成のときや、 今後の卒論の際にも活用していきたいと思いました。」 →えらい!今から意識していれば、よい卒論が書けること間違いなしですよ!
M.Sさん
「国文学研究資料館はとてもきれいで静かであった。資料館では複数の論文をコピーさせていただいた。ふつうの図書館とは違い、コピー1つ取るにもいくつかの段階を踏まねばならず、論文がとても丁寧に扱われていると感じた。」
→いいこと言いますね。ひとりひとりの論者が情熱を注いで書いた論文に対する敬意のようなものが感じられる空間でしたよね。
K.Hさん 「今期初めての篠崎ゼミの課外活動でした。全員で同じところで同じ作業をする一体感はありつつ、皆が各々の求める資料を見つける目的をこなすところに、一年次には無かった自立を感じます。わたくしは、やっと図書館や資料館の資料検索に慣れてきた時分です。 」 →連帯と孤独――どちらも学びに重要な栄養だと思います。よきバランスを見つけて飛躍してほしいです。
H.Kさん 「国立国文研究資料館には、探す本以外にも興味深い本がありました。言語学や小説に関する雑誌や、47都道府県の行事等を記録化したファイルに目が移りました。様々な小説のあらすじをまとめた本も印象深かったです。」 →面白い資料を発見しましたね!本の背中をながめるだけでも勉強になります。また行ってみましょう。
H.Iさん 「国文学資料館では自分の必要な論文について探したのですが、正直なところ、自分の論文だけを探すだけでいいやと思っていました。でもいざ行ってみると、他の論文の多さに圧倒されて、つい他のも読んでしまいました。とても有意義な時間を過ごせたと思います。 →もうあなたは、論文の魅力から逃れられない。かもしれない。」
M.Kさん
「国文学の文献が充実している場所が自宅近くにあるとは思わず、驚きました。今後、大いに活用していけそうです。資料探しのスキルを高められれば尚良いかとヾ(@⌒ー⌒@)ノ修行が必要ヾ(@⌒ー⌒@)ノ
施設自体も清潔感溢れる新しげな建物だったので、快適でした。八つ橋ごちそうさまでした。」 →資料探しのスキルって、実は学問にとても大切なんです。一緒に修行をつみましょう。