人間環境学科(現代社会学科)では、秋学期の教養基礎演習のなかで学外に出て学ぶフィールドトリップを実施しています。片倉ゼミでは、「富士山の自然と人々とのかかわり」を学ぶため、1月下旬に一泊二日で富士吉田市と河口湖町を訪れました。
富士吉田は富士山の登山口の一つであり、富士山の度重なる噴火の影響をうけたり、古くより富士山信仰にかかわる地域社会が形作られてきました。富士山自身がどのようにして現在の様な美しい形になったのか。また、噴火に伴って周囲の環境にどのような影響を及ぼしてきたのか。富士山の地質や高度差による植物の垂直分布やそこに生息する動物など自然も多く残されたところであり、本学科での学習の場としてふさわしい場所の一つと考えられます。交通も都心からの高速バスが利用できるため、比較的アクセスしやすい場所です。
<行程>
1日目は、11時過ぎに 富士急ハイランドバス停に集合して、まずは腹ごしらえ、吉田名物の手打ちうどんを食べ、皆満足!昼食後は、県立富士ビジターセンターを訪れ、富士山の自然や文化についての展示を見学しました。河口湖フィールドセンター(船津胎内樹型)では、溶岩流が大木を取り囲んで固まり、その樹の型が残った溶岩樹型の洞穴を這いつくばるように探検しました。山梨県環境科学研究所では高田亮氏による「火山としての富士山の歴史」と題した講演を伺い、数万年前から1707年の宝永噴火まで何度となく繰り返されてきた噴火によって現在の美しい形になった富士山の歴史を学ぶことができました。休憩時間にはモデル実験で、富士山の噴火口から溶岩が流れ出す様子を見ることもできました。河口湖の西側湖岸を周遊した後、ホテルに到着。当日の夜は幸運にも河口湖で冬花火があり、澄んだ空気の中での美しい花火に皆感激でした。
2日目は、環境省生物多様性センターを訪れ、ゲーム感覚で楽しめる展示を見学しながら、改めて生物多様性に関する問題点の多いことを認識させられました。次に、富士山の北口登山道の出発点でもある北口本宮富士浅間神社は1733年に造営された歴史ある建築物で、火祭りに使われる富士山の形をした珍しい神輿なども見ることができました。1768年に主屋が建造され、多くの富士山信仰の参詣者を迎え入れてきた御師(おし)の家、旧外川家住宅ではガイドさんの説明を受けながら、当時の様子を思い描きながら理解を深めることができました。
この2日間のフィールドトリップで、富士山の火山としての歴史、富士山周辺の環境、富士山信仰の歴史など、多くのことを学ぶことができました。
雪に覆われた美しい富士の姿を背に、昼過ぎ富士急ハイランドバス停にて解散となりました。