文化学科岩村ゼミでは3年次にテキストを使用して哲学的思考や神話的思考について学び、4年次より様々なテーマでディスカッションや発表を行っています。
岩村ゼミで大切にされていることは3つあります。それは「生き方を考えること」、「立ち止まること」、そして「パっと言われたことに対してパっと返すこと」です。
一つ目の「生き方を考えること」。これはマザーテレサの教えです。
私たちは将来を思い描く際にどうしてもなりたい職業ばかりを考えてしまいます。アパレルがいい、製造業がいい、はたまたブライダル関係に進みたい......。
ですが大切なことはどう生きたいのか、ということです。競争社会の中で総合職としてバリバリ働くことも良ければ、一般職で趣味の時間を大切にしながら暮らすことも素敵です。どのような生き方も私たちの人生の選択肢に存在するからこそ、私たちはどのように生きたいのかを考えなければなりません。
二つ目の「立ち止まること」。これは杉原千畝からの学びです。
第二次世界大戦中ユダヤ人たちに対して命のビザを発行した杉原は、ユダヤ人排斥という社会の流れの中で立ち止まる勇気を持っていました。
私たちも多数派の流れに身を任せて思考停止してしまうことがよくあります。友人たちがサークルに入ったから自分も入る、みんながこれを選んだから自分もそれを選ぶといったように。ですがそこで大切なのは一歩立ち止まって「本当にこれでいいのか?」と自分に問いかけることです。滅びに通じる門は広く、考えて行動することは考えず周囲に流されることよりも困難です。
三つ目の「パっと言われたことに対してパっと返すこと。」これは岩村先生より常日頃伝えられていることです。
早い返答は信頼を育てます。しかしすぐさま返答するためには、日常的にものを考える癖をつけなければなりません。ですから私たちは哲学や神話などの古典から様々な思考法を学び、それらをすぐに応用できるようにするのです。
9月には4年ゼミで敦賀まで出かけます。杉原が発行した命のビザを手にしたユダヤ人たちはシベリア鉄道からウラジオストックへ、そして日本海を渡って敦賀の港に辿り着きました。彼らの道のりを追体験しようと思います。