イギリスを訪れて 歴史文化学科

2015年03月13日
 投稿者:M.T・T.R

私たちは2月の上旬にイギリスのロンドンを訪れました。この地を訪れた理由は2つ有ります。1つ目は大学4年間を通じ西洋美術史を学んできたためです。2つ目の理由は、ロンドンにあるナショナル・ギャラリーには、13世紀から19世紀までの西洋美術作品が展示されており、実際に西洋美術の変遷を見ることができると考えたからです。
イギリス滞在中に、ナショナル・ギャラリー、ナショナル・ポートレート・ギャラリー、コートールド・ギャラリー、テート・ブリテン、ヴィクトリアアンドアルバート博物館、大英博物館、アシュモーリアン博物館の計7箇所の美術館、博物館を訪れました。

ナショナル・ギャラリーは、見学前には、貯蔵数としては2300点程と、世界の国立美術館としては決して多いとは言えない数だというイメージがありました。しかし、年間約500万人という見学客が訪れ、世界最高峰として名を連ねる美術館は、まさに圧巻の一言でした。
特に印象に残ったのはキリスト教宗教画の多さです。各教会の祭壇画に始まり、授業でも習ったダ・ヴィンチの岩窟の聖母など、ミケランジェロ、ルーベンス、カラヴァッジョなど、そうそうたる画家の名画を目にすることが出来ました。題材の幅も広く、描き手によって切り取る場面、意図するテーマが異なっている点が宗教画の広さであると感じました。

そして地域性に富んだ展示の数々に目を奪われました。近代イギリスの芸術家が中心のテート・ブリテンもありますが、ナショナル・ギャラリーにはイギリスだけでなくヨーロッパ各地からの作品を見ることができました。宗教画で多く描かれる最後の晩餐や受胎告知の絵画が、本当に同じ主題なのかと思うほど違いをみせつけられました。日本で行われる企画展では同じ主題の絵画の数はそれほど多くありませんでした。しかし所蔵している美術館に直接行けたことにより、数多くの同じ主題の作品から学ぶことが多くありました。

ナショナル・ギャラリー以外で行ってみて驚いたことは、博物館のスケールの大きい所蔵品の数々です。ヴィクトリアアンドアルバート博物館は、全世界・全様式・全時代にわたる美術工芸品という目標をもとに収集された所蔵品の膨大さには、ただただ驚くばかりでした。また本物だけではなく、ダビデ像やフィレンツェの礼拝堂の扉などの複製の部屋も設けられていました。美術館内にはいたるところで美術品をスケッチする学生の姿を見ることできました。実物を見ることができない学生への配慮があるのだと思いました。

この旅行では常設展を中心にまわりました。教科書にのるほど有名な作品を数おおく実際に見ることができました。画家・時代・主題・地域など様々な観点から比較し、理解を深めることができました。

自分たちの勉強してきたテーマのルーツに触れる、世界観がぐっと広がった学びのある卒業旅行になりました。