みなさんは、限界集落ということばを聞いたことがあるでしょうか?
限界集落とは、過疎化で人口の50%以上が65歳以上の人々で占められる行事や祭りなどの実行が困難になっている地域をいいます。この限界集落に興味を持った、藤田ゼミの橋本さんが、限界集落を「何らかの形で、かっての活気を取り戻せないか?」というテーマの下、早速、島根県の美郷町と隠岐に行って調査いたしました。ここでは、美郷町の様子をレポートいたしましょう。
美郷町は、島根県の中部に位置し、山間に位置しています(写真1)。
この美郷町では、耕作放棄地の有効活用を目的とし、島根県美郷町比之宮地区に古くから自生するポポーという果物を復活させ、6次産業化をし、地域活性化につなげています。
はじまりは、平均年齢61歳の女子会があり、そのときにポポーを持ってきた方がいたのです。それは、地区の人にとっては何でもないものでしたが、その場に新規移住してきた女性が居合わせ、初めて食べたところ、美味しさに感激し、アイスクリーム化を思いついたそうです。翌日、近くの牧場に持ち込み、アイスクリームに加工してもらったところ、地域の人に大好評で、これを商品化したのでした(写真2)。
<ポポーは、明治期に日本に渡った北米原産の果物で、マンゴーとバナナとパイナップルを足したような不思議な味です。香りが強く、濃厚な甘みがあり、別名「森のカスタードクリーム」とも呼ばれています。熟すのが早く、収穫時期も限られており(9月中旬から10月上旬)、市場にあまり出回らないため「幻の果物」と呼ばれてきました。ビタミンCや鉄分、ミネラルなどが含まれており、栄養価が高く、寒さに強く、手がかからないので、このジェラートを特産品として、この地区は活性化しそうな気配があります。