大塚国際美術館で西洋美術史を学ぶ 歴史文化学科

2015年12月03日
 投稿者:伊藤ゼミ一同
 ゼミ/授業名:伊藤ゼミ

伊藤ゼミでは、ヨーロッパやアメリカにおける美術の歴史を勉強しています。

9月中旬にはゼミ旅行で、徳島にある大塚国際美術館に行ってきました。ここにある絵画は全て複製ですが、古代から現代までの多種多様な作品の数々が原寸大で再現されています。なかでも、ミケランジェロの《最後の審判》があるシスティーナ礼拝堂や、ジョットが手掛けたスクロヴェーニ家礼拝堂は、環境展示といって実際の建物ごと再現がされていました。

また、時代ごとに区分されていて、自分たちの研究個所ごとに分かれており、目的の時代の絵画を見つけるのがとてもわかりやすいと思いました。

私たちはここで、卒業論文に向けて様々な情報を収集しました。本物ではないので、どのようなものの上に描いているのか、どれくらい絵の具を重ねて塗っているのかなどは分かりませんでしたが、原寸大の迫力に圧倒されました。教科書や本などで見る絵はとても小さく、情報として寸法は書かれていますが、どのくらいの大きなのかはいまいち実感が湧きません。しかし、大塚国際美術館ではその大きさを身に持って感じることができます。また、近くに寄って見ることができるので、本で見ていては気がつかないような細かいところまで見ることができ、新たな発見がありました。

例えば、ダヴィドの《ナポレオンの戴冠》で、中央で跪いている女性の足元にあるクッションに、フランス王家のユリの紋章があるなど、この絵をみて初めて気が付きました。

実物を自分の目で見て学ぶということが、とても大切なことだと改めて実感しました。特に美術に関しては絵を見るということ自体が、学習につながる経験になっていくので、尚更そう思いました。

今回の旅行を通して、私たちが本の中だけで学んできたことだけでは、足りないと思いました。実物大の複製を前にして、実物も見てみたいと一層強く思うようになりました。これからも、様々な作品を見て、自分たちの知識の幅を増やしていこうと、改めて意欲が湧きました。

担当教員:伊藤 拓真

イタリア文化、特にルネサンス美術を専門に研究しています。  テレビ、ポスター、雑誌など、現在の社会で私たちは大量の視覚イメージに取り囲まれています。美術の歴史を学ぶことを通じて、身の回りにある様々な視覚イメージをもう一度新鮮な気持ちで見つめ直してみませんか。

伊藤 拓真