そもそも、ゼミってなんでしょうか? 現代社会学科

2017年04月25日
 ゼミ/授業名:篠田ゼミ

少人数で、教員による講義を聴くのではなく学生自身が研究したことを報告・発表し、学生同士議論し、専門性を深めていくことを目的とする......、言葉にすればこんな感じですが、実際に体験してみないとわかりませんよね。

ゼミを行う上で多くの場合学生が悩むのが、テキストを読みこみ、レジュメをつくり、報告・発表する段階です。学生が先生になったつもりで、そのテキストについて説明をし、自分の考えを述べて議論を誘発させるようにします。「レジュメってどうやって作るの」「発表するのが苦手」と、多くの学生が言います。しかしそれにはお手本があり、やり方さえ学べばたいてい何とかなります。

しかし本当に難しいのは、そして本当にじっくりと身につけなければならないのは、ゼミ生同士で議論しながら理解を深める方法です。議論ってどうやって行えばうまくいくのでしょうか?

まずは、自分の意見を怖がらずに言えるようになること。「こんなことを言ったら幼稚だと笑われたりしないか? 反感を買ったり、引かれたりしないだろうか?」「みんなと同じことを言っていれば目立たなくて無難」......多くの学生は、高校時代までに自分の意見を人前ではっきり述べる訓練を積んできていません。ですから難しいのは当たり前です。じっさいにゼミに入ってから実地で学んでいくしかありません。

さて、ゼミ生同士がよく知りあえば知りあうほど、自分の意見を述べることのハードルが低くなります。「ああ、あの人はこんなことを言っても馬鹿にしたり、嫌ったりはしないだろうな」と思うことができ、自由に自分の意見を言い合えるようになります。

と、いうことで、篠田ゼミではゼミ生同士がよく知りあう機会を作るために、いつも昼食を共にすることにしています。理屈はさておき、楽しければいいのです!

ご飯を研究室で炊き、おかずはそれぞれ一品持ち寄って、シェアし合って食べます。打ち合わせはしないので、時々肉ばっかりとか、野菜ばっかりとか、偏ってしまうこともありますが、多くの場合はだいたい栄養のバランスがとれています。今まで料理をしたことがない人が料理を始めることもあるし、毎回得意料理を振る舞う人も、ずっと買って来たもので済ませる人もいます。食事をしながら気楽に話し合うと、人柄がどんどん見えてきます。時事問題が話題に出ることも。なんでもあり、フリースタイル......それが大学での学びの醍醐味ではないでしょうか。

担当教員:篠田 真理子

環境問題をどうやって解決するかと考えた時、大きく分けて二つの方向性があります。科学技術によって問題の解決を図る(地球温暖化の原因となる二酸化炭素を技術的に処理する等)という方向と、現代の社会の方向性を変えていく(持続可能で多様な人々や生き物と共生していく社会を目指す等)という方向です。後者の立場から科学技術と環境問題の関係を見つめつつ、望ましい社会に変えていく方法を歴史と現在から考察していきます。

篠田 真理子