現代社会とトリック-現代社会にだまされるな! 現代社会学科

2018年06月05日
 投稿者:高橋里沙・細谷ビビアン・宮川真梨菜
 ゼミ/授業名:上村ゼミ

こんにちは!3年上村ゼミです。私たちのゼミはとても少人数で、学生全員仲が良く、アットホームです。私たちは、現代社会、特に今年度は現代社会と地域について学んでいます。そして、時々、ミニフィールドトリップ(MFT)を地域で行い、学びや考えを深めることをしています。

第一回目のMFTは、5月7日に高尾山口駅前にある"高尾山トリックアート美術館"に行って来ました!♪高尾山は大学がある多摩センターから電車で50分ほどの距離にあり、自然が豊かな地域です。そんな高尾山の麓にある美術館、一体どのような展示があるのでしょうか?

入場して最初に出迎えてくれたのは、黄色い制服を着た案内役のお姉さんたちでした。館内の地図と視力検査の時に使う目隠しのようなものを渡されて、トリックアートを見るときのポイントを教えてもらいました。1つ目は「片目で見ること」、2つ目は「絵から一定の距離をおくこと」、3つ目は「見る角度を変えると見え方が変わる」ということです。

案内の通りに片目をふさいで絵を見てみると、絵が立体的に見えたり、左右に移動すると顔の向きが変わったりして不思議でした。

そして、なんとこの美術館は写真を撮ることができるんです!今回は、私達が撮ってきた写真の中から、展示されているトリック作品のいくつかをご紹介します。

まず1つ目!
本当に水を汲んでいるように見えますよね?
2つ目!
ゼミ担当の上村英明先生です(笑)
キリンが先生の手をなめているように見えますね!
3つ目!
これは、空中神殿です。
まるで空を飛んでいるかのような感覚になります!
そして最後、4つ目!

全員が満場一致で「びっくりした!」と盛り上がった、『鏡の部屋』です。
このトリックアートは、2つの部屋が対照的に作られていることによって、まるで中央に鏡があるように見えます。まず、入ってみて、自分が鏡に映らないことに、びっくり。
そして、この写真。よーく見てみると、置いてある物は全く同じだけど、映っている人物は違いますよね?

高尾山トリックアート美術館を見学して、人間の視覚は眼に映った映像とそれを整理する脳という2つのもので構成されていること。脳の整理は特定の枠組みに従って行われるので、そこが操作されると簡単に誤った解釈を生み出してしまうものだと実感することができました。トリックアートだけではありません。自由、正義、善、恐怖、みんな何かの枠組みに従って判断しています。私たちは、教育の場やメディア、ネットによる一方的に与えられる情報だけで物事を判断するのではなく、多角的に捉えることで枠組みを疑いながら考えることが重要だとこのMFTを通して学びました。実は、私たちが生きる現代社会そのものが巨大なトリックアート美術館かもしれません。

担当教員:上村 英明

世界にはまた日本にも、さまざまな文化や歴史を背負った人々がいます。そして、その歴史にはたくさんの理不尽なことがありました。21世紀という新しい時代に、そうしたさまざまな個性をもった人々がお互いを尊重し合いながら、共生できるかを考え、行動しています。その視点から、現代社会のさまざまな問題の本質が見えてくるかもしれません。

上村 英明