外来種問題と川の生き物:共生の試みはできないか 現代社会学科
2018年09月03日
投稿者:高橋里沙 宮川真梨菜 細谷ビビアン
ゼミ/授業名:上村ゼミ
こんにちは!3年上村ゼミです。私たちのゼミはとても少人数で、学生全員仲が良く、アットホームで、今年度は現代社会と地域について学んでいると前回(6月5日ブログ)お伝えしました。今回は、そのミニフィールドトリップ(MFT)第2回目の報告と考察です。
第二回目の今回は7月4日に多摩川沿いにある「おさかなポスト」に行ってきました!場所は、大学のある京王線・多摩センター駅から約10分、京王稲田堤駅から数分歩いた川崎市稲田公園内にあります。駅の改札を出てすぐの場所には飲食店や薬局が並び、駅から離れると、緑が多く、静かでのどかな雰囲気の町並みが広がり、交通量の多い土手上の道路の向こうには、雄大な多摩川が広がります。
おさかなポストは、実は、6月に1度事前学習をした上で訪問したのですが、まさかの定休日で見学することができませんでした...(*_*)泣。そして今回、リベンジに成功!!
まずは「おさかなポスト」がどのような施設なのかを簡単に説明したいと思います!
「おさかなポスト」とは、様々な理由で飼えなくなった魚やカメを預かり、消毒や治療などをし、学校や公共施設などに引き渡したり、里親を探してくれる施設です。とくに、多摩川の環境を放流される外来種から守るため、外来種ペットを川に放流させないよう、山崎充哲さんが2004年に創設しました。多摩川は、放流されるアリゲターガー、ピラニア、アカミミガメや熱帯魚などが住むようになり、いつしか「タマゾン川」と呼ばれるようになりました。
もともと、この場所には、川崎河川漁業協同組合を実施者として、多摩川に生息する稚魚を飼育展示し、市民がその成長過程を観察できるよう「川崎市さかなの家」が1984年に設置されました。その一部に、山崎さんが「おさかなポスト」を開設したのが、それから20年後でした。外来種ペットを川に放流する人には、できれば生きてほしいという思いがある。それならば、その受け皿に「おさかなポスト」がなるという共生の発想だったそうです。この「川崎おさかなポストの会」の賛助会員になると、魚やカメを引き取ることもできます。
敷地内に入ると、最初に目に入ったのは、川の水が注入されているコンクリートでできた大きな水槽で、「川崎市さかなの家」の施設です。
そしてこの大きな水槽の隅には、熱帯魚用のヒーターのついた水槽も完備されていました。これが「おさかなポスト」です。この日は残念ながら、熱帯魚はたくさんいませんでした。
「おさかなの家」水槽の中には、無数のコイやその稚魚たち、そしてそれに混じったナマズたち、フナのような魚たちがいました。
水槽の近くに行くと、張り紙のようなものが・・・?
ここでは、コイにエサをあげてもよいそうです。
持参したパンを投げ入れると、ものすごい勢いで魚たちが食いついてきました!
しかし、ちょっと魚の数が多すぎるのか、中には怪我をしていてヒレがぼろぼろの魚、病気になってしまっているのか、目が濁っている魚もいました。
私たち以外にも、一組の親子がエサをあげに来ていました。多摩川のさかなの生態を学ぶ施設として、公園内にあるという立地の有利さも加え、親子で魚を見学しやすい環境にあるなと感じました。また、子ども向けに魚の紹介プレートが置いてあり、多摩川に住むさかなたちについて、分かりやすいように簡単な文章で説明が書かれていました。
今回、外来種問題について学び、そこからつながって、「おさかなポスト」を見学してきましたが・・・私たちはもともと全員が外来種問題に関心があったわけではありませんでした。ですが、直接の関心がなくても、他の人の関心を持っていることについて共に学ぶことが、大学の学びの良いところだと私たちは思います。色々な社会的問題に関心を持つことが、結果的に自分の学びも豊かにしてくれることが分かりました。(もちろん、4年生に向けてこの問題を掘り下げたいゼミ生もいます!)
ともかく、次回のMFTレポートの更新もお楽しみに~~!('ω')ノシ
担当教員:上村 英明
世界にはまた日本にも、さまざまな文化や歴史を背負った人々がいます。そして、その歴史にはたくさんの理不尽なことがありました。21世紀という新しい時代に、そうしたさまざまな個性をもった人々がお互いを尊重し合いながら、共生できるかを考え、行動しています。その視点から、現代社会のさまざまな問題の本質が見えてくるかもしれません。