教室で「インド新年🌑新月」新し尽くし 国際社会学科

2019年11月06日
 ゼミ/授業名:1年教養演習・歴史学方法論

こういうこと、ちょっとなかなかありません。見上げる宇宙(そら)の天体状況と地上の授業のタイミング、それに大学行事お当番の三つが「そろい踏み」で重なった2019年10月末、インドが新年を迎えました。偶然って、めちゃトキメキます。ここでは、このお正月を本学の教室でどう寿いだのかをお伝えします。

はじめに、このインドの新年、ディーワーリーと言いますが、厳密にはヒンドゥー暦によるヒンドゥー教徒たちのそれ。関係なーい、マイナーな話と思ったら、ちょっと待って。このヒンドゥー暦で新年を迎えるヒンドゥー教徒は世界にざっと10億人!日本の総人口の10倍です。

実はこの暦、月の満ち欠けの周期に基づいていて、本命大祭元旦は同暦カールティカ月🌑新月にあたります。わたしたちには不思議ですよね。めでたい日を、なんと光が消える闇マックスの🌑新月で迎えるとは!このディーワーリー、もっと正確には、光が消える🌑新月をはさむ前後の日々も含め数えて五日間の大祭。人々は、徐々に月が欠け、消え、また徐々に満ちていくこの天体ショーの<流れ>に、つつがなく越年するイメージを重ね、この祭りの間ずっと地上から、数え切れない<光>の演出を天空に届けます。世界って、つくづく多様です。

祭りの初日にあたった学生たちがいました。キラキラ日につながった幸運組!教室ではこの日、わたしは割烹着を着ていました。新レクチャーを聴いてもらったばかりのその教室が、すぐに新茶葉によるスパイシー・チャーイの実演コーナーに。カシミール産カルダモンは破格増量。その二日後の🌑新月元旦、本学オープンキャンパスにあたり、授業体験のお当番でした。あの日、「びっくり『インド記数法』」にお運びくださいました高校生の皆さん、お母様方、ありがとうございました。嬉しいことでした。あの記数法を世界に広めるきっかけを作ったのは数学者ではなく天文学者でした。いにしえの昔から、どうも皆、熱心に宇宙(そら)を見上げていたようです。福を招くヒンドゥー神様絵の前で、この日につながってくださいました皆さんとの新しいご縁も、忘れません。合掌。

担当教員:杉山圭以子

サリーとカレーとガンジス川。神秘と悠久、お香にターバン。インドはいつもイメージ・アイコンでいっぱい。けれど歴史はいつも立体型。わたしなら「砂糖と英語とノーベル賞」と並べてみます。全部違う位相に、ぴったり一つの時代が高浮彫になりますね。先頃、EU離脱を決めた英国と200年もつながっていた時代のインドを学んできました。地球儀を廻せば、もう関係の世界史だけ。そこから「今」を俯瞰する軸をいつも考えています。

杉山圭以子