初!オンライン授業でのゼミ、春学期を終えて 国際社会学科
2020年08月19日
ゼミ/授業名:卒業論文演習
ゼミで何を勉強しているの?
私たちのゼミは、国際社会学科、英語コミュニケーション学科、日本語日本文化学科の学生が同じゼミに所属している多文化コースゼミです。幅広いテーマについて具体的な事例から、抽象的な思考へつなげるための、社会学的思考を身につけることを目的としています。
3年生の後期から卒業論文の執筆が始まり、私はアイルランドに留学した経験から日本におけるホームステイについて書いています。ほかには、「ハーフ」や「ダブルリミテッド」など当事者研究、外国につながりのある子どもとその保護者への支援、愛着障害や学習障害に関する支援の問題など多様ですが、いずれにしても、何らかの関わりをもってきた「自分ごと」を社会学の枠組みで考えています。
こうした、いろんな学科出身、いろんなテーマを勉強するゼミのみんなのいるゼミでは、多様な考え方やものの見方を知ることができ、1つの物事に対して多くの意見を共有できることが特徴です。また、社会学的視点からテーマを探究することを目標に、お互いの研究テーマを発表し合い、それに対しての質疑応答や意見の交換をすることでより深く研究を進めることができます。
オンラインゼミとはどんな感じでしょうか?
このゼミは、個性的で自分の意見や個性をしっかり持っている人が多いのが特徴です。卒業論文のテーマもみんな自分の体験をもとに選んで、聞き取り調査をして、書き進めていく人が多いため、色々な知識を学べるのも定松ゼミならではのメリットだと思います。
また、毎回、発表者が卒業論文の中間報告をした後で、ディスカッションタイムがあるのですが、Zoomでのオンラインになってから、ハウリングや会話が被らないようにコメント欄に質問や意見を打ち込んだ後、ディスカッションしていく形式になりました。発表者が司会者で、チャット欄をみながら、質問者に話を振り、それに答えていきます。それによって、ゼミ生一人一人の意見交換がしやすくなり、対面では言いそびれてしまっていたことも拾い上げるオンラインの良さを感じました。オンラインゼミと対面のゼミでの雰囲気や授業の進め方はあまり変わらず、オンラインでもみんな賑やかで楽しくゼミに参加しています。
国際社会学科で学んで自分は変わった?
入学前は、メディアで取り上げているような大きな問題ばかりを見ていましたが、国際社会学科で学んだ今は見えないSOSに対して目を向けるようになりました。そして、今の自分がこの見えないSOSに対して何ができるのかを考え、行動を起こすようになりました。
例えば、今回のCOVID-19により学ぶ場を失ってしまった小学生を対象にオンラインの学習支援ボランティアを行いました。私は中でも新一年生を対象とした新一年生プログラムに携わり、初めて学ぶ場に踏み込む新一年生に学校とはどういう場所か、学ぶことの意味は何なのかを教える授業を行いました。
就職先も、ネット上の風評被害に苦しむ方々や企業を救いたいという気持ちから風評被害対策コンサルティング事業を行う企業に就職します。
大学時代の授業や学生生活を通して、貧困問題やジェンダー問題の個別ケースにあてはまるような絶対的な答えがないからこそ自分が持つ価値観を大切にしつつ、違った価値観を持つ学生と意見交換をすることで傾聴力も身についたと思っています。これは、他の大学には少ない、発言する場の多さがあったからこそだと思います。
担当教員:定松 文
現在2億人以上いる世界の移民の半数は女性です。少子化、高齢化、都市化の進む国は女性も男性も働き、掃除、料理、介護、育児など誰かに頼っていかなければ生活が成り立ちません。一方、仕事がない、現金収入が必要な地域では、豊かな国の下支えの労働のために、家族を故郷に残して海外に働きに行かざるをえない人々がいます。移民は偶然ではなく、政治的経済的構造が生み出すものとして、その問題点を多面的に考えます。