学習者同士で英語を話して勉強になるの? 英語コミュニケーション学科
2021年12月02日
ゼミ/授業名:越智ゼミ
本日のゼミでは、ゼミ生に理解可能なインプットと単純化されたインプットの関係について発表をしてもらいました。理解可能なインプットは前回の記事で述べた通り、学習者が現在身につけている言語能力より少し高いレベルのインプットです。これに対し、単純化されたインプットとは親が子供、母語話者が非母語話者に、教師が生徒に、非母語話者が非母語話者に対して使う、必ずしも文法的ではないインプットを指します。英語の授業で、先生が生徒に対して使う発言を注意して聞くと、同じ言葉を繰り返したり、言い換えたり、時には単語だけを使って意味を伝えようとしていることに気が付くかと思います。この様な、母語話者同士の会話ではあまり起こらないsimplification(単純化)やelaboration(詳しくすること)されたインプットも、多くの研究結果によると言語習得を促す理解可能なインプットとなり得るとされています。
英語の授業でペアやグループワークをする時は、多少間違っていてもいいので英語を使って頑張ってみましょう。意味を伝えるために、繰り返し、言い換え、確認など、理解するための努力をすることで理解可能なインプットになります。この様な考え方をインターアクション仮説(Long, 1996)といい、次回のゼミで発表してもらいます。
Reference
Long, M. H. (1996). The role of linguistic environment in second language acquisition. In W. C. Ritchie, & T. K. Bhatia (Eds). Handbook of second language acquisition (pp. 413-468). San Diego: Academic Press.
担当教員:越智 健太郎
I am interested in how we learn and best teach a second language. My area of interest includes teaching methodology (how we teach), materials development (with what we teach), and using technology for learning.