「ウクライナを憂う」② 英語コミュニケーション学科
2022年03月16日
チェルノブイリ原発から2㌔の所にあったプリピャチは、かつて5万人の人が住んでいた街だ。1986年に起きた原発事故により、人々は着の身着のままの避難を余儀なくされた。現在でも、高い放射線が確認されているこの街には、今も当時のままの建物が残されている。写真は、残されていたピアノと子どもたちの写真。この二人の子どもは、原発事故まで当たり前の生活を、家族と過ごしていたのだろう。
photo by kazuma MOMOI
今、大国ロシアは、圧倒的に小さな国ウクライナを暴力でねじ伏せようとしています。
ウクライナの人々は、SNSの戦いを続けています。
その中で、彼らが「英語」を使って必死に現状を訴えていることに、世界の人々は心を揺さぶられたのではないでしょうか。
現実のものとして迫る「死」の可能性を前に、英語を使うことで、現状を世界に向けて伝えている。そして世界の一員に、私たち一人ひとりがいるわけです。
英語という言葉を通して、ウクライナの人びとの直面する問題が、ウクライナ一国でかたづけられる問題ではなく、同時代に生きる世界の人々すべてが目撃する「理不尽な力」であることを知るからです。
担当教員:桃井 和馬
恵泉女学園大学特任教授 写真家、ノンフィクション作家 これまで世界140ヵ国を取材し、「紛争」「地球環境」「宗教」などを基軸に「文明論」を展開している。テレビ・ラジオ出演多数。第32回太陽賞受賞。公益社団法人「日本写真家協会」会員。主要著書に「和解への祈り」(日本キリスト教団出版局)「もう、死なせない!」(フレーベル館)、「すべての生命(いのち)にであえてよかった」(日本キリスト教団出版局)、「妻と最期の十日間」集英社、「希望の大地」(岩波書店)他多数。 大学では、「表現力実践講座」「国際社会論」「国際情勢論」などを担当。