多摩市の学校給食 英語コミュニケーション学科
2022年10月31日
2017年に「健幸都市宣言」を制定した多摩市では、【「食」を通じて、市民一人ひとりの『健康で幸せに過ごせる未来の実現』】の一環として、食育としての学校給食にも丁寧に対応をしています。
多摩市内には、2つの学校給食センター(永山調理所、南野調理所)があり、そのひとつが恵泉女学園大学から歩いて3分ほどの場所にある「南野調理所」です。
南野調理所の担当は、多摩市内の小学校(18校)と中学校(9校)、計11000食の半数に当たる5500食。興味深いのは、それぞれの調理所が2パターンのメニューを用意しており、同じ日でいえば、多摩市内だけで4パターンの給食が料理されていることでしょう。
これには3つの意味があります。 ①限られた調理室内で、「切る」「洗う」「煮る」などの手順などが重ならないようにするため。 ②食材の大量調達を避けるため。4パターンを用意することで、野菜などの数量を分散しているのです。 ③万が一、食中毒などが発生した場合も、少しでも被害を小さくするため。 ③の食中毒対策は、航空機の乗務員用メニューでも実施されている方法で、危機管理の観点から重要なのです。
調理されたそれぞれの給食は、「学校給食衛生管理基準」に基づき、責任者が料理の終わったばかりの給食を前に様々な角度から検食し、子どもたちの安全を担保するのです。
食べることは生きること。「食」を通した教育とは、「食」を通して、社会と地球を考えることに他ならないのです。
さて、南野調理室を見学した様子は、11月6日に大学で予定されている「恵泉祭」において、私が顧問をする「写真・表現サークル」で展示されます。このサークルが目指す「表現」とは「伝える」こと。
ロシアのウクライナ侵攻以降「食糧危機」が深刻な現実問題として、世界を覆っています。
私たち一人ひとりが、「食糧」問題をどのように考え、「伝える」ことができるのでしょうか?
私たちサークルの展示スペースでは、これからの「食」を考えるコーナーを設けます。
恵泉では、あらゆる機会に、様々な角度から「生きる」ことを考えます。
担当教員:桃井 和馬
これまで140カ国で取材・撮影を続けてきました。衛星のように飛び続けていると、今、時代が大きな転換点を迎えていることを実感として感じるのです。終わりなき「資源(石油、レアメタル・食料、水など)」紛争。それだけでなく人口爆発、生物種の大量絶滅、欲望の増大などが深刻化し、目に見える形での気候異変に結びついているようなのです。そうした事実を前に、歴史、宗教、地政学など、縦横無尽に「知」と向き合いながら、私たちのいる現代を思索し直します。