「恵泉フードバンク」と「コミュニケーション」と「SDGs17」の関係について 英語コミュニケーション学科
2022年11月15日
3年近くのコロナ禍と厳しい経済状況の下、食費をギリギリまで抑えて大学での学びを続けている学生たちがいることを、私たち教職員も確認しています。
その一環として「恵泉フードバンク」という名称で2年前から、恵泉の学生を対象とした食糧などの配布を続けています。このセクションへ、大学のHPを見られた多摩市の「ケル株式会社」様から、食糧の寄付がありました。この記事をケル株式会社様への感謝とさせて頂きます。
「人文学部英語コミュニケーション学科」で教鞭をとる私自身、長年メディアで仕事を続けてきた関係から、英語圏における「異文化コミュニケーション」などの授業を主に担当しています。
そもそもラテン語の「communis」から派生したコミュニケーションとは、「分かち合う」や「共通する」の意味がある言葉で、異なる人や文化が出会い、時間や意識を共有することを意味しています。
また、私が長年たずさわってきたメディア業界のメディアも、ラテン語の「medium」から生まれた言葉で、溶媒や媒体という意味がありますから、これも異なる存在同士を繋ぐという意味なのです。
こう考えると、コミュニケーションもメディアも、「異なる存在を繋げる」という意味では同義語でしょう。
さて、今回ご寄付を頂いたケル株式会社様について検索してみました。
すると中心となる取扱商品が機器内の接続を担う「コネクタ」を中心に扱っている会社様だと知ったのです。
コミュニケーションもメディアもコネクタも、異なる存在を繋げるために重要になるもの! 何という偶然の繋がりでしょう!
SDGsで大切になるのが、SDGsで他の16項目をまとめる上位概念としてのSDGs17「パートナーシップで目標を達成しよう」です。
これからの地球では、一強が威張るのではなく、異なる存在が、価値観や資源を分かち合い、助け合うことでしか存在し得ないという思想です。
今回ケル株式会社様は、消費期限が近付いたアルファ米をどうするかで調べているうちに、同じ多摩市にある恵泉女学園大学がフードバンクをやっていることをお知りになったとのこと。余剰がある場所から、困窮する学生への「コネクト」を実践してくださったわけです。
私たちがまっとうな未来を切り開く上では、パートナーシップで目的を達成する事、繋がる関係の中で、分かち合うことこそが重要になるのです。
担当教員:桃井 和馬
これまで140カ国で取材・撮影を続けてきました。衛星のように飛び続けていると、今、時代が大きな転換点を迎えていることを実感として感じるのです。終わりなき「資源(石油、レアメタル・食料、水など)」紛争。それだけでなく人口爆発、生物種の大量絶滅、欲望の増大などが深刻化し、目に見える形での気候異変に結びついているようなのです。そうした事実を前に、歴史、宗教、地政学など、縦横無尽に「知」と向き合いながら、私たちのいる現代を思索し直します。