稲刈り・足踏み脱穀機・しめ縄づくり 社会園芸学科
2022年12月27日
投稿者:社会園芸学科2年O.R
ゼミ/授業名:社会園芸実践Ⅰ
恵泉里地里山プロジェクトに取り組んでいる学生からの報告です。
私は、社会園芸実践の授業の一貫として、秋学期から里地里山プロジェクトに参加しています。10月には、社会園芸学科の1年生全員と一緒に、先生方や地域の方々に教わりながら、うるち米ともち米の稲刈りを行いました。1年生は田植えから携わっており、稲の成長に驚いていました。私たちの学年(2年生)は1年生のときコロナ禍で、全員での活動ができなかったので、稲刈りをするのは初めてでした。最初は手間取りましたが、すぐにコツをつかむことができ、さくさくと刈ることができました。
しかし、苦戦した点が二点ありました。一点目は、もち米の田んぼが前日の雨によってぬかるんでいたこと。一度はまってしまうと抜け出すことが困難で、何度も尻もちを付きましたが、そんなハプニングも含め楽しく稲刈りをすることができました。二点目は、刈った稲を束ねる作業です。昨年の藁(わら)を使い、稲が抜けないようにきつく束ねることが難しく、少し練習が必要でした。
束ねた稲は、稲架掛け(はざがけ)にして、天日干ししました。
稲刈り後11月に、足踏み脱穀機で脱穀しました。逆V字型の針金を付けた円筒型の扱胴(こきどう)を、踏板を踏んで回転させ、それに稲の穂先を当てて籾を外します。踏板を踏むタイミングがなかなかつかめず、何度もやり直しましたが、扱胴の回転と合うようタイミングよく踏めるようになると、作業はかなり早く進みました。実が詰まっている穂が取り切れていない場合もあるので、目視で確認しました。今や電動の脱穀機がありますが、足踏み式を用いて行うことで、お茶碗一杯のご飯を食べるのに、どれだけの労力が費やされるのか、身をもって体験することができました。
脱穀後は、その藁を使ってしめ縄づくりをしました。社会園芸学科の先生のご指導のもと、8人で計15個作りました。地元商店街にあるコミュニティスペース「とよよん」で12月に恵泉園芸センターによる「お正月飾り」講習会が行われます。そのための材料となります。
①稲を18本、藁で結んで束ね、6本ずつ3つに分けます。
②結んだところを足で抑え、6本ずつ反時計回りに、先までねじっていきます。
③3つのうち2つをねじり終えたら、その2つを二重らせん構造のように、今度は時計回りにより合わせていきます。
④残っている藁6本を反時計回りにねじり、③の二重らせんの重なりに沿って巻いていきます。最後に藁で留めて完成です。
すごく難しいように見えますが、一度やってみるとすぐに習得することができます。できるだけきつくねじることが、きれいなしめ縄を作る重要なポイントになるのではないかと思います。
前回の恵泉里地里山プロジェクトの活動報告はこちら
担当教員:宮内 泰之
個人の庭から原生林まで、造園学は幅広い緑地空間を研究対象とする分野です。私は主に日本庭園の植栽デザイン、まちのみどり、里山の植物や生態系等をテーマにしています。庭や公園に植物を植え、維持管理していくためには、その植物の性質や本来の姿を知ることが欠かせません。また、植物は昆虫をはじめとする様々な生き物と密接な関係を持って生育しています。そのような植物のあり様を、現地調査を通して明らかにしていきます。
担当教員:菊地 牧恵
恵泉の学生は「生活園芸」の授業で、自分で食べるものを自分でつくる経験をします。農薬や化学肥料を使わない有機園芸で栽培することで、教育農場には様々な生き物が棲み、豊かな土が育まれています。生き物の多様性、共生、循環について実践を通して学ぶ、教養教育としての生活園芸。様々な学びの土台となる分野です。