国際視覚障害者援護協会への見学 全学科オープン資格・養成課程

2023年03月08日
 ゼミ/授業名:全学科オープン資格・日本語教員養成課程

「国際視覚障害者援護協会」は、視覚に障害のある外国人の留学支援や日本語教育を支援している協会です。
日本語教育を学んでいる学生たちと一緒に、どのような支援をされているのか、目が見えない外国人に日本語を教えるとは、どのようにするのかを伺いに行きました。
いつも大学や日本語学校で接している留学生とは全く異なる環境での日本語の勉強は、目から鱗の連続でした。いつも見ている日本語の教科書も点字にすると倍以上の厚さになります。絵は、点字の場合にどのようにしているのか、皆さん想像できますか?

点字の『みんなの日本語』
ふだん目にする『みんなの日本語』

そして、ふだん見ている品々にも、視覚障害者の方がわかるように、様々な工夫がされていることも教えていただきました。「シャンプーのボトルについているでこぼこは、目をつぶって髪を洗っているときに手に取りやすくて便利だと思っていただけど、こういう理由だったのか...」とつぶやく学生も...。

視覚障害者にもわかりやすいように開発された品々 身近な物にもついています。
点字版と打った点字

最後に点字体験もさせていただきました。
点字は、打つのも大変ですが、手で触って、いくつ点が打ってあるのか、右の列、左の列、どちらに打ってあるのか、触っただけではなかなかわかりません。学生たちも「これよくわかるね!」と、隣にいた本学の視覚障害のある1年生に話しかける姿がありました。

彼女の感想です。

【日本語日本文化学科 1年生 千秋詩惟さん】

今回の見学で、実際に視覚に障害のある留学生の方や支援を行っている方々からお話を伺うことができ、同じ視覚障害者として良い刺激になりました。
特に、協会では視覚障害のある留学生に日本語や点字を教えたり、そこで使用するテキストを点字に訳したりなとの支援を行っていることが分かり、私も協力したいと感じました。
また、後半の用具の紹介や点字体験などを通してみなさんに視覚障害について興味を持っていただけたことが嬉しかったです。
改めて私も今後の大学生活の中で発信して行きたいと感じました。

彼女は恵泉で点字サークルを立ち上げたいと話していました。私も視覚障害のある留学生にどのような支援ができるのか、学生たちと一緒に考えてみたいと、新たな目標を胸にした訪問でした。

担当教員:志賀 里美

日本語教育は、外国人に日本語を教えるために、どうしたらいいのかを考える分野です。みなさんは、英語を勉強したときは、文法の説明は、日本語でしてもらっていましたよね。日本で勉強する外国人は、いろいろな母語の人がいます。ですので、その国の人の言葉を全部できないと教えられない、というのでは、困ります。そのため、日本語を勉強したことがない人にも、日本語だけで日本語を教えていきます。その知識と技術などを勉強する分野です。

志賀 里美