庭づくりのワンポイント(イギリス庭園の探訪)

2012年05月18日

前回のヒドコートガーデン(その1)ではガーデンの歴史と6つの構成上の特徴を紹介しましたが、今回はその特徴について、具体的に紹介していきます。

1.最初に取り上げる特徴は庭園が生垣で小庭園に分けられていて、次々と違う構成の小庭園を廻るようになっていることです。

先ず、最初にホワイトガーデンを紹介します。高いセイヨウイチイの生垣で囲まれた10m四方ほどの狭い庭で、中は低いツゲ生垣で4区分され、それぞれの区分にバラやマーガレットなどの白い花が咲きます。生垣の4つの角には鳥のトピアリーが作られています。ホワイトガーデンはケント州にあるシシングハーストガーデンが有名ですが、ヒドコートがそれに先駆けて作られたものです。

2番目はノットガーデンのある庭に入って行きます。庭の中央に道が通り、その両側にツゲの低い生垣で四角形の中に丸形がデザインされています。生垣の間にはオレンジ色やピンクの花のフクシアが植えられていて、「フクシアガーデン」と名付けられています。ノットガーデンは「結び目花壇」と訳され、低い生垣が結び目の様に交錯するところから名付けられています。イギリスでは特に人気がありますが、古代ローマ時代から作られている古典的な庭園様式です。

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ホワイトガーデン

2012年02月16日

イギリスの庭園の歴史を見ると、イギリスで生まれたひとつの様式の庭園が国内で次々と作られ、その様式の庭園が国外にも作られていくという、イギリス庭園史上のハイライトとでも言うべき時期が2度ある。そのひとつは18世紀のイギリス風景式庭園で、もうひとつは20世紀のボーダー花壇を備えた花の美しい庭園である。風景式庭園はイギリス国内ではローシャムパーク、ストウ、ストアヘッドなどがあり、日本では新宿御苑の中にイギリス風景庭園とよばれる日本で唯一の庭園が設けられている。一方、ボーダー花壇を備えた花の美しい庭は現在のイギリスの各地にあり、夏に多くの人が日本から訪れるのは主にこれらの庭園である。いくつかの名を上げると、ヒドコート・マナー、シシングハースト・キャッスル、ウィズレーガーデン、ナイマンなどよく名の知られた庭園が含まれている。日本でも恵泉蓼科ガーデン、バラクラ・イングリッシュガーデン、アンディー・ウィリアムガーデン、紫竹ガーデンなどの名が上げられる。このコーナーでは、これから何回かに渡ってこれらの花の美しい庭園を取り上げて紹介する。今回はこの様式の庭園のさきがけとなったヒドコート・マナーガーデンを紹介する。

ヒドコート・マナーガーデン(Hidcote Manor Garden)その1の続きを読む

長い芝生の散策路。

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