関東大震災から100年の今を問う~(新宿)高麗博物館 企画展開催中
今年は1923年に起こった関東大震災から100年です。9月1日の地震発生後、流言により多くの朝鮮人、中国人ほかの方々が日本人の官憲や暴徒の手によって虐殺されるという事件が起こりました。
100年後の現在、この歴史的事実と記憶を伝えるために、今年は各地で様々な企画や催しが行われてきました。k-popの聖地、新大久保のコリアンタウンにある高麗博物館では、~過去に学び、未来の共生社会を作るレッスン~と題して、関東大震災時の朝鮮人虐殺について、パネル企画展や、関連講演会を開催しています。
今年も残すところ、あとひと月余りとなりました。100年前の日常を問い、来る年の平和と人々の平穏で幸せな暮らしを願って、過去に学んでみませんか。
この企画展は、学長ブログ 先生方の「おすすめの一点」で、国際社会学科 李泳采先生が取り上げています。注目!
関東大震災朝鮮人虐殺100年企画展
会期 | 2023年7月5日(水)~12月24日(日) |
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時間 | 12:00~17:00(月・火を除く) |
入館料 | 一般400円(中高生 200円) |
*企画展では、1926(大正15)年に制作された「関東大震災絵巻」二巻(淇谷;きこく画)が、新資料として初めて公開されています。
関連講演会
日時 | 2023年12月9日(土)14:00~16:00 |
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会場 | 高麗博物館展示室(オンライン併用) |
講師 | 西崎雅夫さん(ほうせんか理事) |
タイトル | 関東大震災時の朝鮮人虐殺―証言から見えてくるもの― |
参加費 | 1000円(要予約) |
歴史の風化に抗して
西崎 雅夫
大学生の時英米文学科に在籍していた私は「隣の国の言葉を知らないのも変だな」と朝鮮語を習い始めた。そこでは在日朝鮮人が一緒に学んでいた。
はじめてその存在に気付いた。彼らとともに日朝近現代史や在日朝鮮人の現状をお互いに報告し合って学習した。
大学で姜徳相先生の授業があった。知らないことばかりだった。とりわけ関東大震災時の朝鮮人虐殺の詳細にわたる講義は、日本という国や自分の生まれ育った東京を見る目を変えた。
(中略)
歴史は風化する。加害の歴史はその風化を加速させる力が強く働く。でも被害者側の心の傷みは決して風化しない。そのことがわからないと、人の傷みがわからない人間になってしまう。
それは最も恐ろしいことではないだろうか。今必要なのは真実と向き合う力だ。そこから共に生きる未来が始まる。
*「ほうせんか」HP"参加呼びかけ"より抜粋
アクセス
地下鉄大江戸線・副都心線東新宿駅A1出口から徒歩4分
西武新宿線新宿駅から徒歩7分
住所:新宿区大久保1-12-1 第二韓国広場ビル7階(1階 ファミリーマート)
*高麗博物館は今年で開館22年目、市民がつくる日本・コリア(朝鮮半島)の交流を学ぶ歴史博物館です。