サンティアゴ巡礼道、約800キロ踏破への歩みが始まりました~参加学生からの報告~
2020年02月21日
サンティアゴ巡礼道はスペインの世界遺産としても有名なキリスト教の祈りの道。
サンティアゴ巡礼道プログラムでは、本学の5人の学生たちが2月10日~3月25日の期間に、サンティアゴ巡礼道を約800キロ踏破することになります。
その歩みがいま始まりました。
サンティアゴ巡礼道シリーズは今回で第5弾。
今回は、プログラム参加学生3名が、プログラム開始直前から現地初日までの間に感じ考えたことを報告してくれました。
期待と不安と大きな荷物
2月10日
国際社会学科2年 山本遥
サンティアゴ巡礼道プログラムに向けて旅立つ日。
とうとうこの日が来た。あれだけ待ち焦がれていたというのに、いざその時になるとどうにも落ち着かないのはなぜだろう。
集合時間は夜の8時なのだが、3時半にはもう空港に着いてしまっていた。子供のようだけれど、これから始まる巡礼生活を思うと家でのんびりなどしていられなかった。
突然できた長い待ち時間に、私はぼんやりとこれからのことを考えていた。
「850kmの道のりを歩ききれるかな」
歩けるよ。毎日少しでもずつ進めばたどり着けるよ。
「もし怪我をして歩けなくなったらどうしよう、それは嫌だな」
タクシーには乗りたくないな、ちゃんと歩きたい。
「みんなとちゃんと話せるかな」
みんないい人だし、すごい人ばかりだよ。ちゃんと向き合って話せば大丈夫。
「本当に?」
分からない。どうなるんだろう。何が起こるのか、何に出会い、何を感じてそれからまた考えるのか。
「行ってみないと分からないし、なるようになるよ」
他のメンバーに1番そう言っていたのは私だったのに、今になってひどく不安がっている自分がいた。
「なんとかするしかないんだよな」
どんなに不安に思っても、何が起きても、結局はやる事をやるしかない。このプログラムに参加することも、この巡礼を通して変わりたいというのも自分で決めたことだから。
完全に不安が拭い去られることはないかもしれないけれど、「それでもやってやる!」くらいの気持ちでいよう。そう思えば、不安な気持ちよりこれから始まる46日間への期待がまさった。
大きな期待と少しの不安、そして巡礼に必要な諸々を詰め込んだ大きなザックを抱え、空港で他のメンバーが集まるのを待つ、その瞬間にさえわくわくしていた。
水の大切さ
2月13日
国際社会学科1年 嶋野美晴
成田空港からカタール・ドーハ空港まで12時間、ドーハ空港からバルセロナ空港まで約7時間、全部で約19時間飛行機に乗り、スペイン・バルセロナに13時に到着した。
ドーハ空港では、乗り換え時間が2時間弱あったため、空港を散策。その時、コンビニエンスストアでジュースと水が同じ値段で売られていて驚いた。
バルセロナに着いてからはホテルに向かい、17時から皆でレストランにパエリアを食べに行った。少し高かったが、とてもおいしく、量も多かったので満足出来た。
私は日本では、飲み物はいつも無料の水をたのむ。しかし、そのレストランでは水は1リットル5€と高く感じた。水が無償で提供されないところから、日本の水の豊かさを再認識した。
日本では無駄に使うことについて「湯水のように使う」という表現があるが、それは水に恵まれている日本だからこそ言えるものなのだと知った。全てのものに感謝して大切に使っていきたい。
己のサイン
2月13日
社会園芸学科3年 桝居奏
サンティアゴ巡礼道プログラム初日。ほとんど登山の登りだった。
歩き始め、はしゃいでいた私たちも
山の傾斜に差し掛かると、とたんに足どりが重くなり、口数も少なくなる。
自分にも他人にも余裕がなくなっていくのが、目に見えてわかった。
いくら自分と向きあえて成長させる魅力的な道だとしても、いくら高尾山級の標高の山だとしても、初日から山登りというのは、厳しい道のりだ。
私たちはまず、自分の体調と向き合うことを余儀なくされた。
それは生きるために必要な、身体からのサインを逃さないことと同義だった。
しかし、上手くいかず、様々な症状が出たメンバーがいて、だけど結果として、身体にしっかりと経験を刻むことができたと思う。
今日は初日だ。
一日目から厳しい道のりを踏破することで、己のサインに気がつくいい経験になった。
私たちは今日の体験をもとに40日間歩いて行く。
今日のことで、幸先が不安になった人も多かったのではないだろうか。
まずカミーノから、一番大切なこと、"生きる上で自分を知ること"を学ばせてもらえた。
明日は何をカミーノから教えてもらえるだろうか。
想いを馳せつつ眠りについた。
サンティアゴ巡礼道プログラムについては学長の部屋でも紹介しております
東京新聞に今回のサンティアゴ巡礼道プログラムの記事が掲載されました。
引率者の桃井和馬先生による過去の巡礼道体験記が昨年12月にNHKで放映されました。
こころの時代~宗教・人生~「戦場から祈りへ」
本学は海外プログラムが盛んで、「国際性」の分野で3年連続 首都圏女子大1位の評価をいただいております。