サンティアゴ巡礼道プログラムをなぜ行うのか?

2020年03月04日

サンティアゴ巡礼道プログラムは、2月10日~3月25日の期間をかけて、世界遺産としても有名なスペインのサンティアゴ巡礼道を約800キロ踏破するという試みであり、現在、5人の本学の学生がこれに参加しています。
今回で第8弾となる今回の報告では、引率者である本学の桃井和馬先生がサンティアゴ巡礼道プログラムのテーマについて語ります。

私たち「サンティアゴ巡礼道プログラム」は、いくつかのテーマと共にスペインの地を歩き続けています。主なテーマは2つ。

一つ目は、「『気候変動』を世界に訴える」。
今回メンバーが着ているチームTシャツには、サンティアゴ巡礼のシンボルであるホタテ貝の貝殻デザインの上に、「Climate Crisis!(気候危機)」と大きく書かれています。
その下には、大学名とZONTA CLUB OF TOKYOⅡの文字。

ZONTA CLUBは女性のエンパワーメントを、活動を通して目指している世界的団体です。
ただ歩くのではなく、地球規模で発生している急激な気候危機を体感し、思索しながら、足を一歩ずつ前に出し続ける。
宿泊するアルベルゲ(巡礼宿)や立ち寄るバル(カフェ)で、最近の気候が、スペインでも想像を越えて変化し続けていることを何度も聞きました。
私たちの地球が今、危機に直面していることを、私たちは、歩くことで世界に訴えると同時に、日本の女性たちも、歩くことでこのテーマに強い関心と影響を持てることを、チームTシャツを通して伝えていきたいのです。

二つ目のテーマは、戦争はなぜ起き、どうすれば防ぐことができるのか? というものです。
現在のチームは私を入れて11人から成っています。様々なバックグラウンドを持つそれぞれが、一緒に生活し、歩き続ける。
当然、意見の食い違いなども生まれます。特に、お腹がすいた時、喉が渇いた時、身体の疲労がピークに達した時、他の人の顔を見るのも嫌になることさえあるのです。
私たちは、11人のメンバーですが、異なる歴史や文化を持つ「世界」のメタファでもあるのです。
もし私たち11人の中に平和を構築することができないのなら、国と国の間での世界平和など夢物語に過ぎません。違いを認め、他者と共に生きていくにはどうすれば良いのかを、歩きながら、考え続けているのです。
そのヒントを木村恵子さんが書かれた絵本「よかったね、よかったね。」から探ろうとしています。
その絵本では、仲の良かった架空の村に、悪意を持った為政者が現れて、人々を分断すると、どうなるのか? 人はどう戦いに向かい、人はどうすれば和解に至れるのか? が素敵な絵と共に書かれています。
ちなみに、木村恵子さん自身、恵泉の卒業生ですから、私たちの大先輩で、この絵本をザックにいれておくことは誇りでもあるのです。

私たちは、アルベルゲ(巡礼宿)において、どうすれば、国籍や人種、宗教の違いを乗り越えて、この地球の上で共に生きていくことができるのかを、出会う巡礼者に投げかけているのです。

写真のパク・ソクヒョンさんについて

国籍 韓国
年齢 35歳
職業 俳優
巡礼に来た動機
15歳から俳優をやってきて、複雑な思いを抱くようになった。果たして、これ以降、俳優を続けていけるか?芸能界では、新人がどんどん出てきている。考える時間が欲しかった。

桃井和馬教授の教員紹介はこちらです

サンティアゴ巡礼道プログラムについては学長の部屋でも紹介しております

東京新聞に今回のサンティアゴ巡礼道プログラムの記事が掲載されました。

引率者の桃井和馬先生による過去の巡礼道体験記が昨年12月にNHKで放映されました。
こころの時代~宗教・人生~「戦場から祈りへ」

本学は海外プログラムが盛んで、「国際性」の分野で3年連続 首都圏女子大1位の評価をいただいております。

本学はキリスト教主義の大学として礼拝やチャペルコンサートなど多彩な活動を行っています。

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