4年ゼミ「特別展 日本美術をひも解く」見学会 日本語日本文化学科
2022年10月28日
4年ゼミで、東京芸術大学美術館に「特別展 日本美術をひも解く」を観に行きました。宮内庁三の丸尚蔵館が所有する美術品を一堂に展覧する美術展で、国宝の小野道風「屏風土台」、「蒙古襲来絵詞」、「春日権現験記絵」、伊藤若冲「動植綵絵」の4点を含む多彩な美術品に出会うことができました。また、藤原行成筆「敦康親王初覲関係文書」、伝藤原行成筆「粘帖本和漢朗詠集」のような、まさに平安文学の時代をまざまざと想起させるような古筆もあり、充実した見学会になりました。帰りに、台東区下町風俗資料館にも立ち寄りました。参加した学生の感想を載せます。「今回、東京藝術大学美術館の特別展を見学して、文字・物語・生き物・風景と様々な視点から日本美術に触れることができました。文字においては、作者の性格が筆跡として反映されており、一見同じように見えてものびのびと書かれていたりきっちりと書かれていたりと、細かい違いを鑑賞するのが面白かったです。物語においては、『源氏物語画調帖』や『酒吞童子絵巻』など資料として見たものや講義で扱われたものを間近で鑑賞することができ、丁寧な筆づかいで書かれた物語と色鮮やかな絵が印象的でした。生き物においては、特に鳥類を描いた作品が多く展示されており、当時の身近な存在であったことを感じました。さらに、展示されている作品の生き物たちはどれも生命力に溢れ、今にも動き出しそうな印象を受けました。風景においては、『秋爽』という作品が特に印象に残っており、鑑賞をする中で秋特有の涼しく爽やかな空気を感じたような気がしました。
また、同日に見学した下町資料館では、どこか懐かしい下町の風情や暮らし、空気に触れるとともに、紙メンコやベーゴマなど懐かしの玩具、生活用品など当時の文化を知ることができました。展示されている銭湯の番台には実際に上って座ることができ、番台の高さと今は減少しつつある銭湯の雰囲気を感じるという経験をすることができました。」(Y.Mさん)
担当教員:佐谷 眞木人
『平家物語』や『曽我物語』、『義経記』などの軍記物語を中心とした古典文学作品と、それらを題材にした能や浄瑠璃、歌舞伎などの古典芸能を主な研究分野にしています。高校では古文は、文法中心の勉強で退屈に感じることも多いと思いますが、大学では内容の分析を中心に勉強しますので、古典文法が苦手でも大丈夫です。古典の世界は、奥が深く入っていくと面白いことだらけです。興味のある人はぜひ一緒に勉強しましょう。