恵泉女学園大学では、連続講座「歴史に学び、未来を創る」(全4回)を開催中です。現在の「文化学科」が、2013年度より「歴史文化学科」として生まれ変わることを記念しての連続講座です。
その第一回目として、7月11日に、「古代ローマの宗教と美術」が開催されました。講師は奈良澤由美先生(東京大学グローバル地域研究機構)です。
奈良澤先生の講座は、3つの点から、新しい歴史文化学科のコンセプトへの理解を深めるものになりました。
1つ目に、古代ローマという時代です。歴史文化学科では、重点的に学ぶ地域のひとつとして、ヨーロッパをあげています。古代ローマといえば、最近では、『テルマエ・ロマエ』といった映画で触れた人も多いのではないでしょうか。ヨーロッパの歴史を学ぶ上では欠かすことができない時代・地域です。
2つ目に、古代ローマが残した多くの文化財があります。歴史文化学科では、歴史と文化を学ぶ方法の一つとして、ユネスコが認定している世界遺産を対象としています。都市ローマが有数の世界遺産であることは言うまでもありません。また講座のなかでは、古代ローマ時代に反映したポンペイ(こちらも世界遺産)についても、詳しく解説がありました。
3つ目に、恵泉が主催している「文化現地研修」との関連です。歴史や文化について、教室で学ぶばかりでなく、実際に現地を訪れて実物を体験するのが恵泉の文化現地研修です。今年度の行き先は古代ローマを育んだ「イタリア」。もう間もなく出発です。
講座の内容は、古代ローマの宗教的な多様性と芸術表現についてです。よく知られているギリシア・ローマ神話以外にも、様々な土着の宗教や、東方に由来する宗教などが交じり合って、ローマの文化を形作っていたことを学びました。また上映されたスライドを使って、多数の美術品についても理解を深めました。
講演後の質疑応答では、学長の川島堅二先生の質問も飛び出し、内容の深い議論になりました。
連続講座、次回は、10月27日(土)、3回目は恵泉祭(大学祭)開催中の11月11日(日)、最終回4回目は12月16日(日)です。もちろん、途中の回から、あるいは1回だけの参加も歓迎です。
連続講座「歴史に学び、未来を創る」
恵泉の学びにおける世界遺産については、「世界遺産ブログ」、および無料で配布している冊子『世界遺産―歴史と文化の学び方』をご覧ください。冊子の郵送をご希望の方はnyushi@keisen.ac.jpにお問い合わせください。
文化現地研修については、ディクショナリー「文化現地研修」をご覧ください。